株式会社リミックス、アンコールクッキーで奮闘する、起業家、プロデューサー 富永律子「りつこはん」の日々諸々

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半年ぶりのカンボジアで感じたこと

マスクをしていない人々

コロナ禍での出張で感じたことを書いてみます。
前回、カンボジア入国の厳しさを書きました
入国時のPCR検査結果陰性を受けて解放された後、プノンペンの街中へ向かうと想像以上に交通量や人の往来が多かったのですが、道行く人がマスクをしていないこに驚きました。

実際実際ホテルやレストランの入り口では消毒液の設置、体温のチェックがありますが、マスク着用を義務づけているところは殆どありません。

3月に初めてカンボジア人感染者が出た後の怯え方が嘘のようで、私もマスクを外してリラックス出来ました。

道の渋滞も始まっていて、経済も動いているような状況に見えましたが、外国資本で経済が大きく回っている国。
外国人で賑わうホテルやレストランの厳しさは相変わらずのようです。

SOKHAホテルからプノンペン市内に向かうタクシーから眺めた様子

富裕層が国内でお金を使い始めた

外国資本が入ってこない状況でも、カンボジアでは国内経済が少しずつ回ってきていると。
コロナ以前、富裕層は海外に行ってお金を使っていたが、この状況では国内留まるしかなく、カンボジアの高級リゾート地のホテル、信頼できる医療機関などは売上が増えていると聞き驚きました。

1泊200-400USDするホテルが賑わっていたり、リゾート島の1泊700USDのホテルの予約が取れなかったりするそうです。
カンボジアで仕事をし出した昨年夏、現地にいる方から、「外国人滞在者よりカンボジア富裕層のほうがお金を持っている」と聞いたことを実感できる話でした。

流通紙幣の変化

カンボジアの流通紙幣にはアメリカドルが使われています。
1USDが約4,000リエル(カンボジア通貨)になり、1ドル以下のおつりはカンボジア紙幣になるというのが今までの常識でした。

しかしこのコロナ禍でドルの流通が少ないのか、政府がリエルを流通させようとしているのかわかりませんが、釣り銭のなかに1ドル以上の紙幣10,000リエル、20,000リエル札が。それらのお札は今回初めて見ました。

プノンペンからシェムリアップへの移動

これまで、プノンペンで入国する場合、シェムリアップへの移動は飛行機を使っていました。
シェムリアップの国際空港は閉鎖され、国内便もほとんど飛んでいない状況、そして大きなトランクが3つと小さなトランクが1つの私はリムジンサービスをお願いしました。
プノンペン-シェムリアップ間はアスファルトが敷かれた国道が走っており、6時間ほどかかりますがスムーズです。
途中で食事をしましたが、まったく外国人を見かけない状況。
プノンペンの賑わいがシェムリアップに向かってどうなるのか不安になってきました。

シェムリアップの道路工事

シェムリアップに到着して気づいたのは、道路事情が良くなってきているということ。
幹線道路はアスファルトが敷かれ、車の往来については問題ありませんでしたが、一本脇にそれると大きな穴がある道が多く、雨の日は大きな水たまりに。
もちろん、まだまだそういう道も残っていますが以前とは比較できないくらい。

今回のコロナの状況で観光都市シェムリアップの経済が壊滅的になっているのを受けてか、政府が以前から計画していた、道路拡張を一気に進めているようです。
聞くところによると、5年ほど前から計画されており、家主はそれを知っていたものの実行に時間を要していたことから、計画地にも店舗を増築したり、その計画を店子に知らせていなかった様子。

実際に私もアンコールクッキー社の店舗に行くと、スタッフに壁に書かれた赤い大きなマークを見せられ、ここまで店が削られますと。
反対側には3月に完成させたショールームがあり、愕然としました。
家主は知っているのか確認したところ、知っていたと聞き衝撃を受けました。

すでに工事が始まっている地域では、立ち退きや店の入り口を削ったり。
アンコールクッキーの前は、広い道なのでいつ工事が始まるのかは未定。
周りの状況を見て、庭の取り壊しにかかるとか。
残念ですが、現在の店は入り口から建物が遠く、ホテルやブティックに間違えられていたので、それがなくなるのではと前向きに考えるしかありません。

国に頼んで建物や入り口を壊すのは高いらしく、みんな自分で壊している。
アンコールクッキー本店の前の道の拡張で、庭が殆ど削られてしまう(壁の赤い印まで)
隣に出来た店は開店することなくコロナに突入、入り口は潰さないとダメな状況…

治安状況

4月の時点で、経済状況が悪くなれば治安も悪くなると心配していました。
プノンペンではトゥクトゥク上でのひったくりも以前より増えていると聞きましたが、シェムリアップでは治安状況の悪化は感じられず。
夜、店が開いていなく真っ暗な道を歩いたりしましたが、不思議と危険は感じませんでした。
シェムリアップには地方からの出稼ぎ労働者も多く、田舎に帰っている人も多い模様。
スタッフによると田舎に帰るとお米があるので食には困らないらしいです。
アンコールクッキー社にもこの状況下を田舎を過ごしているスタッフがいます。
これからまだ1年くらいは厳しいと思われますので、なんとかこのまま治安が維持されるように祈っています。

以前は賑わっていた通りです

パブストリートに響く大音量

クメール正月の代替え休暇があった9月、真っ暗だったパブストリートが大変賑わったというツイートを見ました。
私がシェムリアップに到着したときは、カラオケ(KTV)の営業も許されており、パブストリートの店もいくつか営業していました。
人が戻ってきたのかなと思って、大音量で音楽を流すレストラン(クラブ?)を覗くと、人はまばら。
音だけなのかと少しガッカリ。

ナイトマーケットは殆ど店が開いておらず、イタリア人経営のレストランに行くと、輸入されていたチーズが手に入らなくなったので、モッツァレラチーズは自分で作っている状況だと知りました。
物流が減って、これからも必要なものがなかなか手に入らない状況が続くと思われます。

シェムリアップに住む人の移動はバイクや乗用車多く、また今は自転車も流行っているようです。
コロナ前に増えたトゥクトゥク(GrabやPassApp)には乗る人が少なく、ドライバーも大変なようで、1ドルの乗車金額に対して5ドル等の紙幣を出すと釣り銭がないということが何度もありました。

今月末から始まる水祭りの休暇期間、少しでも多くの人がシェムリアップを訪れてくることを願います。

パブストリート入り口付近

起業ブーム?

観光業で成り立っているシェムリアップでは多くの人が職を失いました。
プノンペンでホテル経営されている人に聞くと、採用募集にはシェムリアップから多くの人が応募するようです。
スタッフからは、また仕事を失った人が小資本で始められる飲食など始めたと聞きました。
起業した人はうまくいっているの?と聞いたところ、厳しくて続かない人も多いと。
その一方で、コロナ後に必要となるであろう優秀な人材の採用には今がチャンスだと動く会社もあります。

今後の状況

ビジネスでも入国状況が難しいカンボジア。
来年4月には国が開かれるのではという声や、中国人を旧正月にいれるのではないかということも聞きました。
しかしながら、日本人観光客が以前のように戻るには、あと1年以上かかる気がします。
それは日本に来る海外観光客も同じことかもしれませんが、もしオリンピックが開催されたなら、人の動きが増え、経済の復興も早まるのではないでしょうか。
人がまた海外に向かおうとする気持ちになるように、治療法の確立や世界レベルでの情報共有、ワクチンを完成することが必要不可欠ではないかと。
そして過度ではなく、正しくコロナを怖がることが大事なのではと考えます。



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